公益法人会計基準について解説

公益法人とは

公益法人とは一般財団法人、一般社団法人のうち、「公益社団法人及び公益財団法人の認定等に関する法律」による公益認定をうけた法人をいいます。

公益認定とは、平成20年度の公益法人制度改革により設けられた制度で、第三者委員会による公益性の審査を経て、行政庁(内閣府又は都道府県)から公益認定を受けることをいいます。

公益認定を受けると、法人税法上の収益事業であっても、その事業が公益目的事業と認定されている場合は法人税が課税されないなどの税法上の優遇措置があります。

公益法人会計基準

公益法人会計基準は古くは資金収支計算書を中心とする報告がなされてきましたが、平成16年の基準により企業会計により近い形での報告体系に改正がなされました。その後、公益法人制度の改正を受けて平成20年に新たな基準が整備されています。

公益法人会計において作成される財務諸表には、貸借対照表、正味財産増減計算書、キャッシュ・フロー計算書があります。企業会計における貸借対照表の純資産の部は、公益法人会計では正味財産の部とされており、正味財産増減計算書で増減内容が開示されます。正味財産増減計算書を企業会計でいう損益計算書とイメージすれば、ほぼ企業会計と同じような体系といえます。

公益法人会計の特徴

公益法人会計の特徴的な会計処理をあげてみたいと思います。

指定正味財産と一般正味財産

貸借対照表の正味財産の部は指定正味財産と一般正味財産とに区分されます。

指定正味財産とは、寄付によって受け入れた資産で、寄付者等の意思により当該資産の使途が制約されているものをいい、それ以外の資産は一般正味財産とされます。指定正味財産は寄付者の意思に従って運用する必要があり、その状況を開示する責任もあることから他の財産とは区分して表示されています。

基本財産と特定資産

固定資産を基本財産、特定資産及びその他固定資産に区分します。

基本財産とは、目的事業に不可欠なものとして定款において定められた財産をいいます。定款に基本財産の定めを置くことは必須ではではありませんが、定めを置いている場合は基本財産としての開示が必要になります。

特定資産とは、基本財産以外の一定の目的のために保有する財産をいいます。金融資産を特定資産としている場合には。保有目的を表す退職給付引当資産といった名称で開示されます。とかいう名称で開示されます。

寄付によって受け入れた資産で、その額が指定正味財産に計上されるものについては、基本財産又は特定資産の区分に記載するものとされています。

まとめ

公益法人会計基準は基本的に企業会計に近いと考えられますが、一般正味財産、指定正味財産などの区分などがあり、理解しにくい部分も多くあります。

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