日商簿記初級とは?難易度や合格率について解説
日商簿記初級とは、簿記初学者向けに以前までの4級に代わり2017年4月から施行された試験です。
簿記の基本原理および企業の日常業務における実践的な簿記の知識の習得を目的としています。
概要
試験はインターネットを介して実施され、試験終了と同時に採点と合格判定が行われる「ネット試験」となっています。試験中は電卓は使用できますが、メモを取ることはできません。
受験資格:制限はありません。
試験時間:40分
合格基準:100点満点中70点以上で合格となります。
試験会場:商工会議所が認定した「商工会議所ネット試験施行機関」で行われます。(自宅では受験できません。)
受験料:2,160円
合格率
現在までに公表されている合格率は以下のようになっています。おおよそ50%くらいの方が合格しているようです。
2018年4月~2019年3月 57.9%(4,182名中2,421名合格)
2017年4月~2018年3月 53.8%(4,167名中2,243名合格)
出題範囲と難易度
日本商工会議所から公表されている簿記初級の出題範囲は下記のようになっています。
- 簿記の基本原理(理論について語句の選択問題)
- 期中取引の処理(仕訳の問題)
- 月次の集計(月次試算表からの推定問題)
難易度については、決算処理の部分が範囲外とされていることから、3級と比較すれば難易度は下がります。
ただし、複式簿記の基本ルールや、商品売買や税金などの会社にとって日常的な仕訳は幅広く出題されますので、簿記を初めて学ぶ人にとっては決して簡単ではないと思います。また、理論問題などは3級ではほとんど出題されないので、簿記3級の知識を持っている人でも、ある程度勉強しておかないと答えられない可能性もあります。
勉強方法、テキスト
簿記初級は試験会場となる施行機関が定める日であれば1年中受験できるので、勉強する時間的な余裕はあると思います。ただし、簿記の学習は継続しないとなかなか力がつかないので、毎日少しずつでも勉強するようにしましょう。
簿記初級用のテキストとして公式サイトでは以下の2冊が紹介されています。テキストは人によって好き嫌いが分かれますので、内容をみて使いやすそうな方を使うのがおすすめです。
- 土日で合格(うか)る日商簿記初級(中央経済社)
- スッキリわかる日商簿記初級(TAC出版)
また、公式サイトにはサンプル問題も載っていますので、確認しておきましょう。
最後に、試験はパソコンを使って行いますので、パソコンが苦手な方は操作に慣れておいたほうがいいと思います。公式サイトではネット試験の操作体験が出来ますので、試してみるのが良いでしょう。