簿記検定試験の種類について合格率や難易度を比較

簿記を初めて学ぶ人はとりあえず簿記の資格試験の勉強を始める方が多いと思います。ただ、一口に簿記検定試験といってもいろいろな試験があります。今回は以下の4つの試験について比較してみました。

  • 日商簿記検定試験
  • 全商簿記検定試験
  • 全経簿記検定試験
  • 日ビ簿記検定試験

特徴

日商簿記検定試験

日本商工会議所及び各地商工会議所が主催する検定試験です。1級、2級、3級、初級があります。ビジネスパーソンが知識を習得することを目標としており、社会人向けの試験といえます。最も知名度が高く、受験者数も多い試験です。1級合格者には税理士の受験資格が与えられます。

全商簿記検定試験

公益財団法人全国商業高等学校協会が実施する検定試験です。1級(会計/原価計算)、2級、3級があります。全国の商業学校が加盟する団体が主催しており、商業学校の学生が多く受験する試験です。

全経簿記検定試験

公益社団法人全国経理教育協会が実施する検定試験です。上級、1級(商業簿記/原価計算)、2級(商業簿記/工業簿記)、3級、基礎があります。専門学校が加盟する団体主催の試験であり、学生向けの試験といえます。上級合格者には、税理士の受験資格が与えられます。

日ビ簿記検定試験

一般財団法人日本ビジネス技能検定協会が主催する検定試験です。名前の通り、ビジネスパーソン向けの試験です。他の試験と比べると、やや知名度は低めです。日商簿記検定と試験日が近いため、両方受験する人もいます。

受験者数と合格率

各試験について、受験者数と合格率は以下のようになっています。

※記事を書いている時点の最新のデータを掲載しています。日ビ簿記検定はデータが少ないので載せませんでした。

日商簿記検定試験149回

受験者(人) 合格者(人) 合格率
1級 7,501 1,007 13.4%
2級 38,352 5,964 15.6%
3級 79,421 35,189 44.3%

 

全商簿記検定試験85回

受験者(人) 合格者(人) 合格率
1級会計 34,251 13,080 38.2%
1級原計 31,443 13,994 44.5%
2級 48,838 34,255 70.1%
3級 38,133 24,237 63.6%

 

全経簿記検定試験191回

受験者(人) 合格者(人) 合格率
上級 1,935 321 16.6%
1級商簿 640 149 23.3%
1級原計 595 316 53.1%
2級商簿 1,816 890 49.0%
2級工簿 582 442 75.9%
3級 5,989 3,600 60.1%

 

全商簿記検定の受験者が多いですが、全商簿記の受験者は商業高校の生徒がほとんどなので、一般の受験者数では日商簿記試験が圧倒的に多い状況です。合格率は回によって異なりますが、日商簿記検定1級の合格率は一桁の時もあるので、一番難易度が高いといえるでしょう。

難易度について

一般的に同じ級であれば、日商簿記検定の方が全商簿記検定や全経簿記検定よりも難しいと言われています。ですので、日商簿記1級の方が全商簿記1級、全経簿記上級よりも難易度は高いことになります。一概には言えませんが、日商簿記2級と全商簿記1級、全経簿記上級が同程度と考えていいでしょう。

日ビ簿記検定については、範囲は日商簿記検定とほぼ同じとされていることから、日商簿記検定と同程度の知識レベルが必要となると考えられます。

どの試験を受けたらいいのか

試験を受ける目的は人それぞれなので、どれがいいか一概には言えません。簿記の知識の習得が目的であれば、どの試験を目標に勉強しても一定の簿記のスキルは身につくと思います。また、専門学校などの学生の方々は全商簿記や全経簿記を受験する機会があると思うので、それに沿って勉強されるのが良いと思います。

ただし、就職や転職に有利になるように資格が取りたいといった方には、日商簿記検定がおすすめです。現状の就職マーケットでは日商簿記(3級以上)が重視されています。履歴書に書くにも日商簿記であれば迷いなく書けるので、特段、他の試験をうける理由のない方は日商簿記検定を目指すのが良いと思います。また、日商簿記検定は人気がある分、市販のテキストなども豊富にあるので、勉強しやすい環境にあるのも良い点だと思います。

まとめ

簿記の検定試験についてまとめてみました。それぞれ特徴はありますが、一般の方が実際に受験するのは日商簿記検定になるのかと思います。ただ、どれにも共通するのはしっかりと勉強しなければ合格できないということです。合格目指して頑張っていきましょう。

 

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