原価の分類|原価計算の基礎(第1回)

原価計算を学んでいると、いろんな種類の計算が出てきて何をしているのかわからなくなってしまうことがあります。そこで、全体像をまとめてみました。

複雑な計算は入れないで、イメージだけできるようにしました。

原価計算とは

原価計算とは製品一単位当たりの原価(製造原価)を求めることをいいます。簡単に言うと、モノを作ったときいくらかかかったのか計算するということです。

製品を一つだけ製造している会社ならば、製品を作るために発生した費用がすべてその製品の製造原価になります。しかし、通常会社は複数の製品を製造しているので、発生した費用を各製品に配分する必要があります。

費用 A製品
B製品
C製品

 

原価計算の目的

財務諸表の作成

損益計算書における売上原価を算定するためには、売却した製品の原価を把握しなければなりません。仕入れた商品を売却したのであれば購入した金額に基づいて売上原価を算定できますが、自社で製造した製品を売却した場合は原価計算をしなければ売上原価の算定ができません。

原価管理に役立つ

製品の原価を算定することで、価格の決定や予算編成、原価管理に役立たせることができます。

 

原価の分類

原価計算をするにあたって、まずは費用を把握しなければなりません。会社で発生する費用がすべて製造原価になるわけではありません。製品の製造にかかった費用のみが原価として集計されます。したがって製品の販売のためにかかった費用である販売費や企業全体の管理活動のための費用である一般管理費は製造原価に含まれません。

次に、販売費及び一般管理費などを除いた製造原価に含まれる費用について、原価計算をしやすくするために以下のように分類していきます。

形態別分類

原価発生の形態により材料費、労務費、経費といった分類をします。記帳を行う際の勘定科目とほぼ同じような分類なので、理解しやすいと思います。

材料費とは、物品の消費によって生ずる原価であり、原料費、買入部品費、工場消耗品費などがあります。

労務費とは、労務用役の消費によって生ずる原価をいい、賃金や賞与手当、退職給付費用などがあります。

経費とは、材料費、労務費以外の費用であり、減価償却費、賃借料などがあります。

 

製品との関連における分類

製品との関連における分類とは、発生した費用が一定単位の製品の生成に関して直接的に認識されるかどうかによる分類です。わかりやすく言うと、特定の製品に紐付けれられるかどうかで分類する方法であり、直接費と間接費に分類できます。

直接費は、特定の製品に関連付けられる費用であり、材料費や工員の直接作業時間(製品の製造作業をする時間)にかかる給料などが該当します。

間接費は、特定の製品に関連付けられない費用であり、工場全体の減価償却費や電力料や工員の間接作業時間(製品の製造作業以外の作業をする時間)にかかる給料などがあります。

 

上記2つの分類をまとめると、以下のように6つに分類できます。

製品との関連における分類
形態別分類 直接材料費 間接材料費
直接労務費 間接労務費
直接経費 間接経費

 

 

 

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