簿記を学ぶ(基礎編)第6回 貸借対照表と損益計算書をつくってみる

前回は取引の記録方法として仕訳を学習しました。今回は仕訳をもとにして、最終目的である貸借対照表と損益計算書を作成してみたいと思います。分かりやすいように別々に作成します。

貸借対照表の作成

具体的な取引例を使って貸借対照表だけを作成してみたいと思います。

以下のような財政状態(貸借対照表)の会社があったとします。現金を1,000だけ保有しており、負債はありません。

現金

1,000

純資産

1,000

 

ここから以下の取引をしました。

  1. 現金100を借り入れた。
  2. 現金300を貸し付けた。
  3. 土地300を購入し、代金は現金で払った。

各取引の仕訳は以下のようになります。(資産の増加は借方、負債の増加は貸方、減少の場合は逆になります。)

  1. 現金 100 / 借入金 100
  2. 貸付金 500 / 現金 500
  3. 土地 300 / 現金300

上記の3つの取引を反映させた貸借対照表を作成します。まずは当初の貸借対照表と3つの取引を勘定科目ごとに金額を集計すると以下のようになります。

  • 現金 300(当初の金額1,000+100-500-300)
  • 貸付金 500(+500)
  • 土地 300(+300)
  • 借入金 100(+100)
  • 純資産 1,000(当初の金額のまま変動なし)

この金額を資産は左側、負債と純資産を右側においてみると、以下のようになります。

現金  300
貸付金 500
土地  300
借入金 100
純資産 1,000

 

これで3つの取引を反映させた貸借対照表が完成しました。借方の合計と貸方の合計は一致します。(仕訳の貸借が一致しているので当たり前ですね。)

損益計算書の作成

続いて損益計算書だけ作成してみたいと思います。

当期に以下の取引がありました。

1.外部にサービスを提供し、対価として現金1,000を受け取った。

2.光熱費200を現金で支払った。

3.通信費100を現金で支払った。

仕訳は以下のようになります。(現金は資産なので借方が増加、貸方が減少、売上は収益なので貸方が増加、光熱費と通信費は費用なので借方が増加になります。)

1.現金 1,000 / 売上 1,000

2.光熱費 200 / 現金 200

3.通信費 100 / 現金 100

売上が収益、光熱費と通信費が費用なので、損益計算書は以下のようになります。

売上高 1,000

光熱費 200

通信費 100

利益  700

 

まとめ

簡単な例で貸借対照表と損益計算書を別々に作成しました。実際は同時に作成するので、次回は両方作成してみたいと思います。

 

>>>簿記を学ぶ(基礎編)第7回 貸借対照表と損益計算書の関係

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